今日はオーストラリアに移住して住んでいて良かったと思う理由の1つでもある、病欠事情について紹介してみたいと思います。
※ここに書く内容は主に我家と私の友達の話になっています。オーストラリア全ての会社が同じというわけではありません。
目次:
- オーストラリアは病気のためのお休み、病欠(Sick Leave)が取りやすい
- 病欠制度を利用して、ずる休みをする人たちも
- トヨタの工場の撤退理由の一つも、実はオーストラリア人の病欠にあった!
- 病気の時はしっかり休んで、元気になって仕事に戻ることが出来る。当たり前が難い日本の現状
- まとめ
オーストラリアは病気のためのお休み、病欠(Sick Leave)が取りやすい
先週1週間、私と旦那さんは酷い風邪を引いてしまいました。
私は在宅で仕事をしているので問題なかったのですが、旦那さんは普通の仕事をしているので4日間病欠でお休みすることに。
オーストラリアで病欠を取る時のルールは会社によっても違うのですが、旦那さんの会社では月曜日と金曜日に病気で会社を休む場合は、GP(一般医)に行って「病気で働けません」という証明書を貰う必要があります。
それ以外の日は一応直属の上司にSMS(携帯のメッセージ)、Email、電話のどれかで「風邪ひいたから休みます」と伝えれば大丈夫。
旦那さんは月曜日、水曜日、木曜日、金曜日を休んだので、2日間は証明書を貰いにGPへ行き、他の日はマネージャーにSMSで休むことを伝えました。
マネージャーから折り返し連絡があったけど、「風邪ひいたの?大変だったね!ゆっくり休んで!」…それだけ!(笑)
自己管理が足りないとか、人手が足りなくて困るとか文句を言われたことは、この10年間一度もないと思います。
オーストラリアの会社では、働く人の権利として、病気の時は病欠をとってお休みすることをしっかり認めています。
またオーストラリアでは「病気の時は休んで当然」と言う考えがあるので、誰かが休んで多少仕事が忙しくなっても「お互い様」と思うようで、休んでいる人に文句を言ったりすることは、ほとんどありません。
こういう考えが一般的なため、「誰かに迷惑かけるから、何が何でも会社にいかなきゃ!」というようなことは少ないような気がします。
逆に風邪を引いて咳をしながら会社に来る人がいたら、「風邪を引いているのに会社に来るなんて…うつったら迷惑なのに!」と煙たがれるかもしれません。
病欠制度を利用して、ずる休みをする人たちも
オーストラリアでは有休とは別にSick leave(病欠、病気の時にとれるお休みで、お給料は貰える)があり、病気で休んだ時に有休を使ったりはしません。
1年間で使える病気休暇の日数は決まっていますが、その日数内なら割と簡単にお休みが貰えてしまいます。
ただこの病欠制度、オーストラリアでは悪用する人が非常に多いです!
例えば、連休の間の中2日が平日で仕事に行かなければいけないとしますよね。
そういう時に働かなければいけない中2日に、仮病を使い、病欠を不正に利用して長期のお休みにしたりする人がいるんです。
他には、夏の40℃を超える暑い日「こんな日は仕事なんかしてられない!」と言って、会社には「ちょっと具合が悪いので…」とお休みする人も沢山いるんです(・_・;)
こういう人が沢山いるので、月曜日と金曜日はGP(一般医)に行って「本当に病気だと言うことを証明するため」の書類が必要なんですね。
そうしないと土日+金曜日と月曜日を病欠を不正に使って4連休にする人が出てくるので。
まぁオーストラリアのGP(一般医)はゆるーい感じなので、ちょっと具合が悪そうにふるまえば、すぐに証明書を出してくれることが多いです。
逆に、1日だけくれれば良い病欠の証明書を「しんどそうだから3日分出しとくね!」と勝手に出してくれることも…。
トヨタの工場の撤退理由の一つも、実はオーストラリア人の病欠にあった!
去年、オーストラリアに唯一あったトヨタの工場が閉鎖されました。
トヨタは基本的に工場を一度作ったら閉鎖することは非常に稀なことのようなのですが、コストがかかり過ぎると言う主な理由とは別に、オーストラリア人の働き方にも問題があったようです。
私は撤退する時のトヨタの社長さん(だったと思う)のインタビューをTVで見たのですが、オーストラリアの工場の生産の効率が悪いこと、特にオーストラリアの人は病気で欠勤する頻度がとても高いことを話していたのが、とても印象に残りました。
ただでさえ他の国と比べると車の生産にかかるコストが高く、また色々な福利厚生を保証しなければいけないオーストラリア。
それに加えて生産の効率も悪く、本当に病気で休んでいるのか分からない病欠も多いとなれば、撤退したくなるのも分かる気が…。
それにしてもトヨタの社長さんは正直だな…。
なかなか言えないですよね、こういうこと。工場はなくなっても車は販売し続けるわけで…少し驚いたことを覚えています。
病気の時はしっかり休んで、元気になって仕事に戻ることが出来る。当たり前が難い日本の現状
私は大学を卒業し3年間日本の会社でフルタイムで働いていました。
私が務めていた会社は今でいうブラック企業で極端にお休みが少なく、酷い時には月に2日しかお休みがないことも。
そんな会社だったので、病欠で休んだのは3年間でたった1日だけでした。
大学生でアルバイトをしている時も、風邪くらいだったら多少調子が悪くても休むのよりはまし!と思って仕事に行っていました。
私だけではないと思うのですが、日本は「病気になる=自己管理がなってない」というイメージも強くあり(個人的な意見です)他の人に迷惑をかけるから…と何となく病気で仕事を休むのに気が引けてしまうことが多いのではないかと思います。
逆に上の人の立場で社員にあまり病気で休んで欲しくないと思う気持ちもわかります。
実際私も、会社で数人のアルバイト・スタッフのスケジュールを管理していましたが、病気で休むことが多いスタッフには毎回頭を悩ませていました。
その人が突然休んだ日のシフトを回すのが大変なうえ、カバーしきれない部分は自分が補うことになったからです。
確かに毎日仕事にきちんと通うことは大事だけど、人間だからどんなに頑張っても病気をしてしまうことはあるし、それはしょうがないことで自己管理がどうとかと言う問題ではないと思んですけどね。
まとめ
旦那さんは4日間休んでいる間ゆっくり休養し、昨日から元気に仕事に復帰しました!
月曜日は仕事帰りに予防注射も受けて、今年の冬はもう酷い風邪にかからないことを願うばかりです。
以上、病気の時はしっかり休める!オーストラリアの病欠事情でした。