今日はオーストラリアの小学校で学ぶ、日本とは少し違ったかけ算の勉強について紹介してみたいと思います。
※娘が通っている小学校での出来事なので、他の州や学校では多少違う場合もあると思います。
オーストラリアの小学校に関する色々なことも紹介しています。
目次:
- オーストラリアのかけ算の勉強は1年生から少しずつ始まる
- 数の概念を学びながら、かけ算も学ぶ
- オーストラリアには日本の「九九」のようなものはあるの?
- 中国にも日本のような九九があるって知っていましたか?
- 3年生の娘に、かけ算チャレンジをさせてみた!
- かけ算チャレンジの結果とサプライズ
- 数の概念を理解すれば、習っていないかけ算でも解ける
- まとめ
オーストラリアのかけ算の勉強は1年生から少しずつ始まる
日本だとかけ算は、大体2年生の終わりまでに「九九」を暗記するようになっていますよね。
オーストラリアではかけ算は数年かけて少しずつ覚えていくようで、娘の学校の場合は1年生でSkip Countingと言って、2の段を飛び飛び(2、4、6、8、10と言った感じ)で覚えることから始まりました。
この時は「かけ算」として習っていたわけではなく、数の概念を学ぶ一部として学んでいたようです。
数の概念を学びながら、かけ算も学ぶ
数の概念はPlace Valueとして習うようで、プレップから数年に渡って数がどのように出来ているのかを学ぶことになります。
はっきりと「かけ算」として学びだしたのは2年生で、まずは1、2、5の段から娘は学んだようです。
面白いなと思ったのは、そのかけ算の習い方。
上の写真は2年生の時の算数のノートなのですが、単純にかけ算を学ぶだけではなく、どのように「かけ算」が出来ているかを考えながら学ぶようになっています。
3年生の現在は文章を読んでかけ算の式を書き、答えを導き出すといった感じの問題をしています。
内容は日本と比べるとかなり簡単。
また、日本のように一気にかけ算を習ってしまうのではなく、掛け算をちょっとやった後は分数を習ったり、そうだと思ったら割り算をやってたりと、色々なことをちょこちょこ習うので、日本人の私からすると「効率的ではないのでは?」と思うのも確か。
オーストラリアには日本の「九九」のようなものはあるの?
最初に結論を言ってしまうと、オーストラリアには日本の九九のように語呂で覚える方法はどうやらないようです。
※あっても一般的ではない。
かけ算を学ぶ流れとしては、まず数の概念を数年かけてきっちり学び、掛け算もその学びの中で少しずつ覚えて行けば良いと言った感じのよう。
またかけ算を覚える際には、Times Tablesと言われる表を使うこともあるようです。
日本は9の段までかけ算は習うと思いますが、オーストラリアでは12の段まで小学校で習うようです。
3年生の現在、(娘の学校では)「掛け算は全部暗記しないといけない」というようなことは学校では言われていません。
タームのはじめに子供達がどれくらいのレベルなのかを調べるため確認テストがあるのですが、それによると娘のクラスでは5人(25人中)しか12の段までかけ算を覚えている子はいなかったようです。
しかも覚えていたのが全てアジア系の子供達で、アジアでは早めにかけ算を覚えることもあり、これも文化の違いなのかな?と感じたのでした。
そう言えば、うちでも義理の両親に「まだ掛け算も覚えてないの!ヽ(`Д´)ノ」と何回も言われました…(・_・;)
中国にも日本のような九九があるって知っていましたか?
少し話はずれますが、掛け算の話になった時にマレーシアの義理の両親(中華系)から中国語版の九九があることを教えて貰いました。
こちらも日本語の九九のように語呂合わせになっており、小学校の低学年の時に暗記するそう。
旦那さんもかけ算をする時はいまだに頭の中で中国語で解くと言っており、私もかけ算を解く時は頭の中で日本語の九九を唱えているので、面白いなと思ったのでした。
どうやら日本や中国以外でも、語呂合わせでかけ算を覚えている国があるようなんですよね。
知り合いには色々な国出身の人達が多いので、今度会う機会があったら聞いてみたいと思っています。
3年生の娘に、かけ算チャレンジをさせてみた!
3年生のはじめの時点で、娘は1、2、3、5、9、10、11の段のかけ算を覚えていました。
残りは4、6、7、8、12の段。
この5つの段は他の段に比べて覚えるのが少し難しいですよね。
学校では「暗記して」と言われていないせいか娘も中々やる気になれず、7月になっても各段×3位までは覚えたものの、あやふやなまま…。
そこで、物で釣るのはどうかな…と思いつつも、「もし7月(1ヶ月間)でかけ算を12の段まで全部覚えたら、好きな本を$50買ってあげるよ!」と言ってみたんですね。
やるかやらないかは娘次第。
練習の相手が必要なら相手になるけどそれ以外は娘のやる気に任せて、うるさく声掛けすることもなく、1ヶ月間待ってみることにしました。
娘に自分でも練習できるようにかけ算を書いたものを作って欲しいと言われたので、無印で単語帳を購入。
それに1の段から12の段まで式と答えを書いたものを作ってあげました。
歩いて通学する時は私が練習相手。
車の時は旦那さんが練習に付き合い、週末のスカイプの時間に義理のお父さんも練習相手になってくれたりしました。
あとスプラッシュマスと言うオンラインの学習サイトは苦手な段を選択して学ぶことが出来るので、家庭学習の時に4、6、7、8の段を頑張って練習していました。
かけ算チャレンジの結果とサプライズ
そして7月31日の夕方にテスト。
単語帳からランダムに50枚を選び問題を読み上げたのですが、無事に1問も間違えることもなく正解!
ご褒美として、娘の望み通りに希望の本を買ってあげました。
選んだ本の中の1冊は娘が大好きなAnh Doさんの新作の本で、私も知らなかったのですが、何とサイン入りだったんです(*´艸`*)♡
本を開いてサインがあった時の娘の驚いた顔ったら!思いがけず娘にとってサプライズになったのでした。
九九のような語呂では覚えなかった娘。
一体どのように覚えたんだろう?と思っていたのですが、練習しているうちに何となく答えが出てくるようになったそうです。
忘れないように、毎日口頭で30問ずつ寝る前に練習しています。
数の概念を理解すれば、習っていないかけ算でも解ける
ターム3(3学期)のはじめに、レベルチェックの確認テストがあったようですが、算数ではまだ1桁の掛け算を覚えていない子も沢山いるのに、2桁や3桁の掛け算の問題、2桁の割り算の問題が出たそうです。
それを聞いた時、「何で習ってない問題がでるの!ヽ(`Д´)ノ」と私は思ったんですね。
でも娘は「習ってないけど出来たよ。他の子も出来た子が沢山いたよ」と驚きの返事が返ってきました。
試しに今までやらせたことがない3桁や2桁の掛け算を出してみると、驚くことにちゃんと解くことが出来ました!
今まで習ったことを使って問題を解いている様子が式から分かって、とても興味深かった。
※100のところは600と書きたかったんだと思います。
左上の答えは私が書いたもの。
娘はまず6872に10をかけて、それから6872を引くことで6872×9を解いています。
2桁×2桁の掛け算はとけるはずがないと思っていたけど、これも色々なStrategy(学校の算数の時間ではこの言葉をよく使う)を使って解いていました。
真ん中は私が書いたもの。
娘の式では22を8回足して176を導き出し、それに同じ8回分の176を足し、残りの2回分の44を足して答えを出したことになります。
かけ算の問題として解けたわけでないのは明らかだけど、想像力を使うことでやったことのない問題を解いたところを見ると、学校で長い間習っている「数の概念」に関してはちゃんと理解してるんだなと思いました。
あと、習ってないから「出来ない」と言うのではなく、他の方法でも問題に取り組み「出来るよ!」と言う子供達の姿勢も良いなと思いました。
まとめ
日本人からすると、オーストラリアの小学校の算数は全体的に遅れていると思います。
でも日本とオーストラリアでは、生徒に望むことや勉強の方針は少し違うと思うので、あまり出来ることだけをみて「オーストラリアの算数は遅れている」と言うことは出来ないんじゃないかな?とも思うのでした。
以上、オーストラリアの小学校でかけ算を学ぶでした。