オーストラリアに移住して今年で10年。
今日はこの10年を振り返り、オーストラリアに移住して良かった点と悪かった点をブログに書いてみたいと思います。
ここで紹介するのは、自分の体験をもとにした個人的な感想ですが、これからオーストラリアに移住を考えている方には参考になると思うので、もし良かったら読んでみて下さい。
目次:
- 私達がオーストラリアに移住した理由
- 最初から順調になんて行かない!苦労ばかりの移住1年目
- 想像以上に物価の高いオーストラリアでの生活
- 特殊なスキルがない限り、やっぱり不利な移民の就職
- オーストラリアの転職事情、そしてリストラ事情
- オーストラリアの賃貸事情
- オーストラリアの賃貸は、借りる側の立場がとても弱い
- 借りている部屋に問題が起こった時の対策
- オーストラリアの家は高すぎる!我家の家探し
- オーストラリアと日本は違う国、郷に入れば郷に従えで違いを受け入れよう
- オーストラリアに住んで良かったと思うこと
- 宿題がほとんどない!オーストラリアの学校生活
- まとめ
私達がオーストラリアに移住した理由
私の旦那さんはオーストラリアの大学を卒業後、オーストラリアの永住権を取得しました。
しかし永住権取得後、自分の国であるマレーシアに帰国し就職。
結婚後は私もマレーシアに2年程住み、何不自由のない生活を送っていました。
ところが、オーストラリアの永住権の期限が迫ったある日、旦那さんが突然「せっかく永住権をとったんだし、一度オーストラリアで働いてみたい!」と言いだしたんです。
私も義理の両親も反対したのですが、彼の決心は固く、最終的には「失敗したら戻ってくれば良いかな?」と、永住権のビザが切れる2日前に、大した下調べもせず、旅行に行くような感じで大きなトランク2つを持ちメルボルンにやってきました。
今考えると「信じられない程無知だったな…」と思います(・_・;)
こんな適当な感じでオーストラリアに来てしまったので、最初の1年間は本当に苦労しました。
きちんと下調べをしていればスムーズに済むことも多かったと思います。
当たり前のことですが、移住するなら住む場所、仕事などの下調べは必須。
下調べをしていても、日本とは色々なことが違うので、戸惑ったり苦労することも多くあると思います。
最初から順調になんて行かない!苦労ばかりの移住1年目
1年目は苦労の連続でした。
オーストラリアで働いた経歴がなかったので、仕事を見つけることが難しく、旦那さんはフルタイムの仕事を得るまで、面接に50回は行ったのではないかと思います。
仕事をみつけるまでは、2人で色々なアルバイトをしました。
学校を夜2人で掃除したり、文房具を注文先に届けるデリバリーなど、多い時には同時に3つのアルバイトをしたことも…。
毎日の生活費を捻出するので精一杯。
移住数か月で貯金がなくなりそうになり、ひたすら頑張り続けるしかなかった毎日。
マレーシアに帰ろうか…と何度も思いました。
結局旦那さんは、8ヶ月かけて希望していた職にフルタイムで就職。
楽しいことより、しんどいことの方が多かった…。
でもお互いに協力して、この苦しかった1年目を乗り切れたからこそ、精神的にも強くなったし今の暮らしがあるんだと思います。
多かれ少なかれ、移住して1年目は色々な壁にぶち当たると思いますが、それを乗り越えると、オーストラリアでの生活がぐっと楽になると思います。
想像以上に物価の高いオーストラリアでの生活
オーストラリアに来て最初に気が付いたのは、オーストラリアの物価が高いこと。
旦那さんも私も過去にオーストラリアに住んでいたことがあったのですが、その時よりも物価が高くなっており、驚きました。
オーストラリアの物価を、100種類の食品の値段を例にとって紹介しています。
我家の1か月の生活費を紹介しています。
オーストラリアに移住時に私達が持ってきたのは150万円。
車(中古の10年もの)を買って、家のデポジット(保証金)を払い、仕事が見つからない間の家賃と生活費を数ヶ月払ったら、持ってきたお金はほとんどなくなってしまいました。
外食も日本と比べると高いので、仕事が見つかるまではする余裕もなく、毎日お弁当を作り、服も持参してきたもの以外1枚も買わずに1年間過ごしました。
特殊なスキルがない限り、やっぱり不利な移民の就職
旦那さんはオーストラリアの大学を卒業し、永住権をとりました。
マレーシアの職場も完全に英語環境だったので、英語は問題ないはず。
それでもオーストラリアで希望の職につくまでは苦労しました。
希望していた職種はマレーシアで5年程働いていて経験もあり、マレーシアでは3年連続営業成績全国1位になった業績があっけど、面接に行くと経験がないオーストラリア産まれの人が受かっていく…。
オーストラリア生まれならまだしも、英語がネイティブではない(アクセントがある)と、意思の疎通が問題なくても、就職活動はやはり不利だと思います。
今考えると当たり前のことなんですが、その頃は随分無知だったなと思いますね。
実際彼が最初に就職した会社は、170人以上いる社員のうち、事務以外で営業をしているアジア系の社員は彼一人だけでした。
会社に勤めて7年目の長期就労者の表彰式で、最終面接をしてくれたダイレクターが、「面接の時、彼の必死さが伝わってきて思わず雇ってしまったよ!」と言っていたそう。
「あまりに切羽詰まった感じがしなかったら、雇わなかったよ!という風にもとれますよね。
実際そうだったんだと思います。
ただ、言葉は少し不自由でも、凄く特殊な技術や能力を持っている人は、どの国に行っても就職は見つけやすいと思います。
オーストラリアの転職事情、そしてリストラ事情
一度オーストラリアの会社に就職し、実績を積めば、転職する時は現地の人と同じとは言わないまでも、初めての時よりは確実に職探しが楽だと思います。
これは、海外での職歴よりも、オーストラリア国内での職歴を重要視する傾向があるからだと思います。
オーストラリアでは終身雇用と言う考えはほとんどなく、条件の良い会社があって、チャンスがあれば転職して行く人がほとんど。
転職をすると(条件の良い職場に移るので)お給料があがることが多いので、同じ会社で長く働くことは日本に比べると少なく感じます。
我家の旦那さんのオーストラリアでの転職活動について書いています。
またリストラをされる時は、日本よりずっと簡単に切られてしまうこともあります。
実際に旦那さんの会社で起こったリストラについて紹介しています。
オーストラリアの賃貸事情
私はオーストラリアの第二の都市、メルボルンに住んでいます。
シティから車で10分ほどの1ベットルームのアパートに住んでいますが、家賃は月に$1400程。
特に広いわけでも、プールやジムがついているわけでもない、ごく普通のアパートです。
メルボルンCBDのアパートは1BRで$400から。
古かったり駐車場なしなら、少し安いところもあるかもしれません。
子供がいるなら2BR以上ある家、またはアパートを借りると思うので、そうすると$2000以上はすると思います(エリアにもよる)
家賃は、住む都市やエリアによっても全然違うので注意が必要。
メルボルンとシドニー、キャンベラは他の都市に比べて家賃が高いと思います。
オーストラリアの賃貸は、借りる側の立場がとても弱い
オーストラリアで家を借りる際に注意したいのは、賃貸をしている借主の立場がとても弱いこと。
これは日本から移住してきたら、最初は驚くかもしれません。
※家の値段が高騰し、賃貸物件に住む人の割合が増えたことから、法律で借主の条件を良くしていこうと言う動きがあります。
まずオーストラリアで賃貸を借りる場合、圧倒的にオーナーの立場が強いです。
オーナーが物件を売りたい場合は、借主が住んでいても家を売りだしに出すことが出来ます(ただし契約期間中は違うオーナーになっても、継続して住むことが出来、家賃もあげることが出来ません)
オーナーが家を売ることすると、大体毎週土曜日(他の日の場合もあり)に買い手を探すための部屋の内覧会(インスペクション)が行われます。
オーナーには家を売るために内覧を借主に要請する権利がありますので、借主がインスペクションを拒否することは出来ません。
購入者が決まるまで家の内覧会をし続けることになるので、賃貸に住んでいる間、毎週土曜日に家に人が見に来る場合もあるんですよ!
私が以前住んでいたアパートでは、約6ヶ月間、毎週土曜日の朝に人が見に来ていました!
借りている部屋に問題が起こった時の対策
オーストラリアでは借りている家やアパートに問題があった場合、オーナーが修理してくれます。
ただ実際は、問題が起こって不動産屋に連絡してもすぐ直してくれることは稀です(オーナーによります)
ブラインドを修理するまでに、2か月かかったことについても紹介しています。
私達もこの10年間、ブラインドの修理を頼んだのに2ヶ月も放置されたり、天井から水漏れしているのが、修理をしても治らず裁判をすることになったり(ダメージを受けた家具やその間の家賃を争うため)本当に色々な問題がありました…。
現在は過去の経験から学び、何か家に問題があり、連絡したのに2週間以上直してくれない場合は、コンシューマーアフェアと言う機関を通して修理の申請をしています。
ここを通して正式に申請すると、オーナーは決まった期間内に修理をする義務が生まれ、申請しても修理しない場合は、修理が完了するまで払った家賃が一時的にオーナーには渡されないような対処がされます。
もしも賃貸に問題があり、連絡しても一向に直してくれない場合は、コンシューマーアフェアに連絡することを強くおすすめします。
オーストラリアの家は高すぎる!我家の家探し
オーストラリアでの家の購入に関しては、こちらのカテゴリーに我家が家を買うまでの過程を紹介しています。
オークションで競り負けたり、プレオファーを拒否されたりと、これから家を買おうと思っている人には役に立つ失敗談が満載です(笑)
※その後、2020年に、家ではなく2BRのアパートを購入しました。
オーストラリアと日本は違う国、郷に入れば郷に従えで違いを受け入れよう
オーストラリアは決して、住んだだけで幸せになれるパラダイスではありません。
物価も家も高いし、家を借りたら立場が凄く弱い。
何か壊れて修理を頼んだら「9時~5時までの間に行くよ」(時間の範囲が長すぎだから!)と言われ、1日中待っていたのに結局来なかった!とか本当に良くあります!(・_・;)
人種差別だって表立ってはあまりないけど、確実にあります。
日本人のように「言わなくても分かってよ」みたいなのは通用しないので、思ったことはハッキリ言わないと思うようにいかないことが本当に多い。
「 日本はもっと便利だった、日本ならこんなことないのに…」そう思うことも多いけど、いつまでもそう言う風に考えていたら、自分が辛いだけ。
最初のうちはしょうがないけど、移住してある程度時間がたったら、オーストラリアのやり方を少しずつでも受け入れるようにしてみると、一気に気持ちが楽になると思います。
私も時間はかかったけど、実際そうでした。
オーストラリアに住んで良かったと思うこと
ネガティブな事ばかり書いてしまいましたが、10年住んでいるのはそれでもオーストラリアに住んでいたいと思う理由があるからです。
まず、職種にもよるかもしれませんが、仕事が定時に終わること。
残業がある会社もあるとは思いますが、定時に仕事が終わることがほとんどなので、家族で過ごす時間が増えると思います。
具合が悪い時はきちんと休める、病欠制度も良いと思う。
また、オーストラリアは有給を取ることがしっかり権利として認められているので、皆有休を使って休暇を楽しみ、家族との時間を大事にしています。
我家は毎年3週間ほど休暇(主に自分たちの国に帰る)に出かけ、それに加えて年末年始に2週間ほどお休みがあります。
1年に約5週間休みがある感じですね。
日本ではこんなに長くお休みを取るなんて、仕事を辞めない限りは難しいのではないでしょうか。
自然豊かで、人口密度も多くないオーストラリアの暮らしは、私の住んでいた東京よりも時間がずっとゆったり流れているように感じます。
移民の多いオーストラリアは色々なバックグラウンドを持つ人たちが住んでおり、多文化に触れる機会が日常的にあります。
様々な国の美味しい料理が手軽に食べられるのも、楽しいですよ!
また、オーストラリアは個人の考えを尊重する考え方が基本なので、例えばどんな服を着ていても、どんな考えを持っていても、否定されたり決め付けられたりすることが少なく、周りの目を気にせず自分らしく過せる気がします。
宿題がほとんどない!オーストラリアの学校生活
娘は現在メルボルンの公立小学校に通っています。
色々なバックグラウンド、人種、宗教を持ったクラスメートに囲まれ、毎日とても楽しそうに学校に行っています。
日本人の私からすると衝撃を受けることも多々あるけど、オーストラリアののびのびとした学校方針が、オーストラリアに今もとどまっている理由のひとつでもあります。
オーストラリアの小学校については、学費や宿題、お弁当に子供の誕生日会事情など、ブログでも詳しく紹介しています。
オーストラリアの小学校では宿題がほとんどないのですが、ハイスクール(セカンダリースクールを含む)に行くと課題も多く出されるようになるので、子供達は慣れるまでに少し時間がかかることもあるようです。
まとめ
オーストラリアは日本とは文化も考え方も違う国なので、10年経った今でも、戸惑うことは結構あります。
でも、ゆったりとしたライフスタイルやオーストラリアの学校の勉強に対する方針。
定時に終わる仕事環境、家族で過ごす時間の長さなど、オーストラリアの良い面に目が行くようになった10年目。
オーストラリア育ちの娘の、のんびり過ぎる1日のスケジュールも紹介しています。
これからの人生をどう過ごして行きたいか考えた時、オーストラリアの生活が自分達には合っていると思ったので、今もオーストラリアに住んでいます。
オーストラリアは住めば誰でも幸せに暮らせるパラダイスではないけど、移民が多いので違う文化や考え方をした人にも優しい国です。
悪い面もあるけど、それ以上に良い面が沢山あります。
もしも移住を考えている方がいるのなら人生は一度ですので、試しに住んでみるのも良いかと思いますよ。
以上、パラダイスではなかった!オーストラリア移住10年目の正直な感想でした。
移住したことで困ったり悩んだりすることも、勿論あります。両親に会えないのもその中の1つ。
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